2012年10月13日

形を残さないアート。



実はムンク展を観に行ったときに、同時におもしろい体験をしてきました。

テート・モダンに入場すると、大きな書店の隣に
タービン・ホールというだだっ広い空間があります。
ここはかつて発電機があった場所。

このホールに、老弱男女問わずやたらと人がいたので、
平日なのに今日は混んでるのかな?なんて思いながら
そばの売店でチケットを交換したところで...
集まっていた人たちが静かに歌を歌い始めました!

↑一般のお客さんと、パフォーマーと区別がつかないけど
立ちながら、座りながら、いろいろな格好で歌っています。
教会に流れているような厳か〜な歌です。


これはもしかして・・・
町中でマイケル・ジャクソンのダンスを踊ってしまう
集団パフォーマンスのようなアレが始まるんじゃ...?!と思ってドキドキして見ていたら
歌い終わると同時に、みんな今向いていた方向にそれぞれ一直線に動き出したのです!

そして、写真を撮っている私のもとにひとりの女性が笑顔で近づいて来て
「わたし妹がいるんだけどね、」
と一方的にベラベラ喋りだしたのです!

「小学生で、まだ小さいから可愛いんだけど、たまにワガママ言って暴れるの」

私:ポカーーーーン・・・

あの、もしかして、これもパフォーマンスってこと???
笑顔で話し続ける彼女に聞いてみると、
「ううん、ただ私の妹の話をしてるだけ。」との返答。
そしてまだ話し続けます。

一瞬変な人なのかと思ってしまったんだけど、
やはりこれはアートの一環。
妹の話を終えると、すーーーっといなくなってしまいました。


そして、今度はパフォーマー全員がゆっくりと、
後ろ向きに歩き出しました。


館内の照明もついたり消えたり。


何が起こるのかわからないので
一般のお客さんも目が離せない様子。


ついに真っ暗。
そして、また歌い始めました。

ここで、私はトイレにも行きたかったし
ムンク展を観にそそくさと退散。


そして1時間半後・・・
展覧会が終わって戻ってみると

まだやってる・・・!!!!!


さっきの私と同じように、合間合間に
一般客に話しかけるパフォーマーたち。
1対1もあれば、このように複数人で攻めてくることも。

よくよく観察すると、鞄やカメラを持ってなくて、腕を組んでいるのが
パフォーマーなんだなーとだんだん区別がついてきました。


そして話し終わるとまた一方的に去って行く・・・
取り残されるお客さん(笑)


そしてこんどは、パフォーマー達が四方八方に動き始めました!


一瞬落ち着いて・・・


こんどは全員ななめ後ろ向きにダッシュ!!
なんだこれは(笑)

ここで美術館を去ったのでどうやって終了したのかは不明。
家に帰って調べてみると、これはTino Sehgalという
イギリス人アーティストの作品でした。
2008年には横浜トリエンナーレにも参加していたとのこと。

ウィキペディアの説明にもあるように、
彼は自身の作品にいかなる記録も残さない、と。
今回偶然にも彼の作品に巻き込まれたわけですが、
その場で目撃、あるいは体験できるということは
ものすごく貴重な経験なのではないかと思ってしまいました。

あと、こういったパフォーマンス・アートはシャイな日本人には
なかなか浸透しないかなーとも。


↓良かったら押してね♪

3 件のコメント:

  1. おもしろいパフォーマンスですね!
    巻き込まれることなく、少し遠くから見守りたい。。。^^

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    1. moecoさん
      一見、一般客とパフォーマーの境目がないのが面白いですよね^^
      突然のことだったので何が何だか...と混乱しながらも、
      次はどんなことするんだろう?と自然に興味がわいてしまう作品でした。
      巻き込まれた、他のお客さんの感想を聞いてみたいです!

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  2. はじめまして!私も巻き込まれたうちのひとりです!
    私がされた話は遠距離恋愛中の彼との関係についてでした。笑
    それから彼らから目を離せずに、はじっこにちょこんと座って
    結構な時間そこに居座ってしまいました!

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